医師

復職を急ぐ同僚には

医療

対応は責任者から

うつ病で休職した人は責任感がもともと強いこともあり、休職中でも復帰を焦っているかのごとく仕事に関してメールで尋ねてきたりすることもあります。特に休職前から仲の良かった同僚に対して、そのようなコミュニケーションを取ってくることは多いです。まず、本人はなぜ復職を焦っているのかという点に注目しなければなりません。自分の仕事のその後が気になっている場合や人との関りがほしいという場合は、うつ病というエネルギーが低下している状態から、ある程度回復してきたところまで達していると考えられます。とはいえ、復職が可能かどうかは別問題なので、復職に関しては医師の判断が必要です。一方、休職期間満了の期日が迫っているからという場合や、家族に対して申し訳ないという気持ちあるいは家族からのプレッシャーが原因ということであれば、うつ病が明らかに回復しているという状態ではありません。そのため、なぜ復職をしたいのか、今、復職をしないとどんな問題が起きるのかなど親身に聞いてあげる接し方をしていくことが大事です。詳しく聞いてあげることで、本人が自分自身の状態を改めて考えるきっかけにもなります。仮に収入や家族が関係しているというように問題点がはっきりしている場合には、その解決を図ることで焦りを解消できる場合があります。収入への不安がある場合の接し方としては、情報提供を行うことが大事です。休職期間と、その間の収入に関して再度会社に確認するように促し、休職期間の設定によっては、退職を継続して傷病手当金を受け取れる可能性もあることなどを伝えます。加えて、障害年金や自立支援などの公的支援を受けられるかどうか公的機関に確認することを促したり、家族や血縁者から支援を受けられないか一度整理してみたりするように伝えます。また、家族間の問題というのは、家族内で解決を図ってもらうのは難しいこともあるので、主治医と家族で話し合ってもらう、第三者を入れて話し合いをしてもらうなど本人と家族の間に距離を置いてあげるのも効果的です。ただし、同僚の接し方として、いくら仲が良くても復帰に関する相談や依頼の窓口になることは間違っています。話を聞くのは問題ありませんが、うつ病によって休職した人と職場との窓口は、あらかじめ上司や人事担当者、産業保健スタッフなど統一しておき、情報を一元化することが重要です。状況や必要な対応に関しては、責任のある立場の関係者の間で情報を共有し進めていきます。そのため、本人から連絡がきたときには、上司から返事をしてもらう旨や話は伝わっているので心配しないようにと伝える程度の接し方にとどめておくことが大事です。優しく接したい気持ちはあっても、任せることは適切な人に任せるというように区別することが回復を早めます。